【連載】データ活用例-流通版-「チェーンストアの出店と運営を考える」

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小売版 第1回「チェーンストアの出店と運営を考える」

(1)はじめに
小売業界は今、激変の波にのみこまれています。そごう、マイカル、ダイエーといった大手小売業の破綻、さらに前年度は日本のリーディングカンパニーであるイオンそしてイトーヨーカ堂の大幅減益、その他にもいまだバブル期に急速展開した出店に伴う過剰投資が足かせとなって身動きがとれずに苦しんでいる企業もあります。実際、商業統計で最近3年間(H11〜H14)の小売業界の動向を調べてみると、店舗数で約140万件から約130万件(-7%)に、年間販売額でも約141兆8485億4600万円から約132兆8059億4800万円(-6%)に減少しています。

このような厳しい状況の中で、今後さらに、人口の減少、消費量の低下、消費の多様化、外資との競争激化といった逆風に立ち向かわなくてはなりません。そのためには、過去の成功体験を踏襲しているわけにはいきません。市場ニーズを的確に把握し、市場の微細な変化に迅速に対応することで、競争優位性を保つための勝ち残り戦略を競合よりも速く、実行に移していく必要があります。

それでは、その勝ち残り戦略とは具体的にどういうものなのでしょうか。それは以下のキーワードに集約されるのではないかと思います。

・経営資源の選択と集中(スクラップ&ビルド)
・市場の見定めとスピーディな出店
・地域密着型店舗の面的展開

優良店と不採算店をグルーピングし、不採算店でも市場規模が大きく、競合との差別化戦略も可能であれば、新たな業態開発や商品の投入、もしくは増し床による影響力の強化等によって再生の道を探ります。不採算店に市場性がない、競合の影響が大きく獲得できるシェアに期待できない、もしくは多大なコストがかかってしまう場合には、撤退を検討し、そこで得た資源を優良店に集中させていきます。一方で、市場規模の大きい地域を絞り込み、その地域性にマッチした商品と販売形態で、相互の需要を取り合わないように集中して出店すれば、店舗ブランドの認知度アップ、物流コストの削減、スーパーバイザーの効率的店舗管理・支援、競合店の新規参入に対するけん制等に効果があります。このとき重要なことは、本部主導の画一的な店舗ではなく、地域性を考慮した店舗を展開することです。ただし、あまり個店化にこだわるとスケールメリットを失い、多店舗化の効果が半減しますので、点(店)ではなく面(地域)的に、つまり小商圏店舗による地域密着型店舗の連続展開によって、個別店舗より地域全体の売上シェアを高めていくことが有効な戦略かと思います。

今後、このような勝ち残り戦略を実施するための「店舗別の市場規模や競合店影響度」、「顧客の共食いを回避する店舗配置」、「不採算店の撤退と再生の可能性」、「出店地域の市場分析」などについて、商業統計国勢調査、売上実績、顧客情報などのデータを活用した実際の事例(一部のデータは加工処理をしてあります)を元に紹介していきたいと思います。


→経営資源の選択と集中「既存店評価と競合店影響度把握」

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